私の過払い請求体験記
裁判所にて


いよいよ第1回口頭弁論です。

3社とも日付けは同じ、法廷も同じです。
何度も仕事を休んで出廷しなくても良い様に、
書記官の方が配慮してくれたのです。

そして、当日10時、傍聴席で時間を待つ私は、
膝が震えて止まりません。

訴状を提出した受付けは、
訴訟を提起する時に付けないといけない、
消費者金融の商業登記簿を請求する法務局や、
役所の窓口のような雰囲気で少し安心していたのですが、
いざ法廷に入ると、
まさにテレビドラマに出てくる法廷そのものです。
厳かな雰囲気に圧倒され、
本を読んで頭に入れておいた主張予定の内容など、
完全に吹っ飛んでしまっていました。

そして、その時は来ました。

裁判官 「原告は訴状を陳述しますか?」

私   「え?ち、ちんじゅつ?そ、訴状が手元にないのですが・・!」

裁判官 「訴状の通り、申立ての内容はまちがいありませんか?という事です。」

私   「あ、はい。」

裁判官 「被告は答弁書を陳述しますか?」

被告  「はい。」

裁判官 「被告は取引履歴は出していますか?」

被告  「いえ、準備中です。」

裁判官 「準備にどれからい掛かりますか?」

被告  「取引が長いのでできれば時間を・・・」

裁判官 「2週間あればいいでしょう!?」

被告  「・・・はい。」

裁判官 「では乙号証として○月○日までに出して下さい。」

被告  「次回期日は○月○日10時30分で大丈夫ですか?」

被告  「はい。」

私   「・・あ、はい。」

私の不確かな記憶ですが、
確か裁判所でのやり取りはこんな感じだったと思います。
D社は第1回目は欠席でしたが、次の時は概ね同じような感じでした。

3社とも取引履歴が不十分だったので、

私の記憶に基づいて取引履歴は再現しておいたのですが、
私の記憶はとても曖昧なので、
借りた記憶は極力忘れ、
返した記憶は出来るだけ思い出し、
どう考えても私に都合の良すぎる取引履歴を作って行きました(笑)

反論したければ、消費者金融は取引履歴を出すしかありません。

そして取引履歴が出された後の口頭弁論では、
過払い額の計算が完了し、あとは和解をするかしないか、
という話ばかりでした。
なるべく早く解決したかったので、和解を希望すると、
後は司法委員の先生と呼ばれる人が間に入って、
金額の折り合いを付けるだけでした。

D社については、
裁判所に取引履歴を提出するのが嫌だったのか、
家に電話が掛かってきて、
直接送るので見て欲しい、との打診があり、
過払い額60万円、利息込みで70万円強のところを、
70万円ちょうどならすぐに支払う、という事で
裁判所を通さずに和解し、裁判は取り下げました。

後で考えると、古い取引の部分が、
微妙に出資法違反の利率になっていた部分があった様で、
法廷に持ち出すのはまずかったのでしょう(笑)
もう少し粘っていれば、もっとたくさん頂けたかも知れません。

A社は、過払い額が元金で約120万円のところ、
8割で和解という話に落ち着きそうでしたが、
キリ良く100万円、という私の要求が呑んでもらえ、
訴訟前なら30万円で済んだはずのA社さんから、
70万円増しでの決着となりました(笑)

そしてC社はやや渋く、
頑張って過払い額80万円の7割が限界、
それ以上を求めるなら、みなし弁済を主張して徹底して争う、
との姿勢で、争っても勝ち目がないクセに強気の姿勢を崩しませんでした。
そして司法委員の先生が
「あなたも妥協しないと話がまとまらないから」
と、半ば強引に和解を推し進められ、
最終的に7割を切り上げた60万円で和解となりました。

この裁判で得た私の結論は、
この裁判のどこに、弁護士の登場する場面があったのか!?
という事です。

裁判って言っても、実際には法律の話なんて出てきません(笑)

何割で和解しますか?

という話ばかりです。
訴状を書くのは少し大変でしたけど、
それも本の丸写しで提出して、
書記官の方の言う通りに手直しして、
それで終わりです。

私でも一人でできたのです!

みなさんも、一人でやってみませんか?


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